ミルクレープの日常垣間ミル?

「芸術」と「娯楽」について

芸術といえば何があるだろうか?
絵画、音楽、純文学、工芸、ジオラマ、etc...


娯楽といえば何があるだろうか?
イラスト、アニソン・ゲーソン、ラノベ・漫画、フィギュア、プラモデル、etc...



さて、芸術にしても娯楽にしてもこのように色々あります。
それで、今回は特に『純文学』と『ライトノベル』について色々話したいと思います。


さてさて、ではまず純文学とは何であろうか? ということについて考えてみたいと思います。

純文学とは、哲学的、自己内面的、あるいは社会的風刺などといったいわゆる『掘り深めたテーマ』を中核に成り立つものとおいら個人としては考えています。

有名な作品としては、太宰治の『人間失格』や芥川龍之介の『羅生門』、また夏目漱石の『こころ』や『坊ちゃん』などが上げられるでしょう。

人間失格は、『認知の歪み』に関して徹底的に考察し、考え抜いた『人との小さな、それだけに致命的なズレ』を中心に物語が進行します。これはすなわち『人間関係の難しさとその薄弱さ』や『他者に対して信頼感を持てないこと』などをテーマにしていると考えてよいでしょう。とはいえ、おいらの読み込みが足りないのでこれが正しい解釈とは限りませんが。

また、太宰治:著『晩年』中に出てくる『逆行』という掌編群には、『くろんぼ』という作品が出てきます。この作品はそれこそ『人種差別』や『異質なものに対する奇異の視線』、そしてその異質なものに好意を寄せる『主人公と周囲の人間との徹底的なズレ』に関して書かれています。


これはつまり、『芸術性と共に哲学性、社会性』などを内包した作品であるといえましょう。有り体に言うと、『深いテーマを持った作品』です。


夏目漱石の『坊ちゃん』も、テーマとしては様々なものを読み取ることが出来ます。

主人公『坊ちゃん』の『反骨精神』とはいかなるものであるか。

また、坊ちゃんは『社会的には負けた』がそれは何を象徴してのものであるか。

読み取ろうとすれば、いくらでもたくさんのことを深読みすることができます。つまり、『テーマ性が深く含蓄や哲学に溢れている』ということです。




さて、翻ってライトノベルについて考えて見ましょう。

ライトノベルの代表格として『銀河英雄伝説』をまず上げたいと思う。銀河英雄伝説は非常に名言の多い著作として有名(http://anime.geocities.jp/ginga_eiyudensetu/Meiserifu/index.html)だが、作品として主に描かれているのは宇宙空間での戦争と政治的な謀略などである。ライトノベルとしては非常に重いテーマや描写ではあるが、哲学的価値のある書物というよりは娯楽的価値のある作品というほうが適切だ。

この作品はライトノベルの黎明期の作品であるため、少々今の作品とは仕様が違う。そのため、最近の作品もいくつか上げてみよう。

まず、『ロウきゅーぶ!』を上げたいと思う。

この作品からも、テーマを深読みできないこともない。例えば経営者とは何かであるとか、マネジメントとはいかなるものであるとか、『カリスマ性あるリーダー』と『カリスマのないリーダー』として考えた場合主人公である長谷川昴はどのようなタイプであるか、とかだ。

しかしながらこの作品、テーマを読み取ることは至極簡単である。

すなわち、『スポーツって燃えるよね! 小学生女児がバスケしたらもっと萌えるよね!』である。

ただこれだけである。

そして、そこ! テーマが薄いだの浅いだの浅ましいだの言わない!

ライトノベルは『面白ければ何でもいい』のが大前提のものであるのだから!

この作品において、『カリスマ性のない昴は、自ら見本を見せて技術を引き上げるよりも、選手本人に考えさせるクセをつけさせて云々』という話は野暮である。なぜならそこまで深めて読むのではなく、ただ単純に楽しめばいいのであるから。


また、次に上げたい作品としては『ビブリア古書堂の事件手帖』だ。

この作品は『古書店経営とは何か』であるとか『正しき読書の姿とは』であるとか『より有益な読書をするには』とかがテーマである、なんてことはまるでない。

すなわち、『古書店って何かいいよね!』だ。上記のような小難しいことを考えるのは、読書をより深いものとして考えたがる人間だけで充分だ。

そしてこの作品のウリは『叙述トリック』であり読者は諸所で起こる事件の『オチ』に度肝を抜かれることを快感とする。そこが一番大切なところであり、ライトノベルを読む時は哲学であるとか社会問題であるとか風刺であるとかは一切合切意識の外に放り出していいものだと個人的には思う。



このようにして考えてみると、芸術である純文学と娯楽であるライトノベルを同列に並べるのはおかしいことだと解る。

しかしながら世間には、ライトノベルとはアニメや漫画を文章化したような低俗なものだ、と言って憚らない人がいる。

低俗。よろしい、それは認めよう。浅ましくてテーマ性の薄い卑小な文学作品。それもまた、間違いではない。

しかしながら一つだけ語弊がある。

ライトノベルは『文学』ではなく『文』である。


文であるとはどういうことか。

それは、文が集まり、連なり、文章となり、そして一冊の本となる、ということ。

文学とは『文章学』であり『学問』の一つである。『文章の芸術性』や『緻密な思考と論理性』が最重要とされるものであるというわけだ。

もちろん、ライトノベルであれどもある程度の論理性や一種の芸術性は必要である。だが、それは娯楽としての面白さに特化する際に弊害であるとした場合は切り捨ててしかるべき類のものだ。

ある娯楽作家が言う。「わたしは文学ではなく『文』を書けるようになりたい。学問でも芸術でもない、ただの『文』が書きたい。それこそが娯楽作家の求める究極だろう」と。


さて、長々と語ってしまったが、芸術と娯楽は似たような媒体、あるいは時として同じ媒体でまったく別物のことを主筋に展開するため、同列に語れるようであってもそういったことはまるでない、とおいらは結論付けたい。


「僕にゃ、フランス料理だから旨いの、イギリス料理だから不味いのって、そんな通を振り回す余裕なんかまるでないんだ。ただ口へ入るから旨いだけのことなんだ」とは夏目漱石のことである。願わくば、おいらもラノベだの純文学だのにこだわることなく、文学であれ文であれ、芸術であれ娯楽であれ、何でも消化できる胃袋を持ちたいものだ。
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# by brackhorn | 2012-10-27 12:20 | 小説・文学

ミルクレープの名言録100選!! 91~100

91
優れたものを認めないことこそ、すなわち野蛮だ
エッカーマン著:『ゲーテとの対話』

92
完成するためには、能力のほかに何より機会が必要である
ゲーテ:著『フランスへの出征』

93
吹くだけでは笛吹くことにはならない。君たちは指を動かさなければならない
ゲーテ:著『格言と反省』

94
予めおもんばかれば、簡単であるが、後になっておもんばかれば、複雑になる
ゲーテ:著『格言と反省』

95
顕微鏡や望遠鏡は純粋な人間の感覚を混乱させる性質を持っている
ゲーテ:著『格言と反省』

96
人間は、宗教的である間だけ、文学と芸術において生産的である
リーマーとの談話

97
明瞭さとは明暗の適当な配置である。ハーマン。傾聴!
ゲーテ:著『格言と反省』

98
不可能を欲する人間を私は愛する
ゲーテ:著『ファウスト』

99
不可能であるがゆえにこそ、信ずるに値する
ゲーテ:著『ファウスト』

100
人間だけが不可能なことを為し得る
ゲーテ:著『神性』
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# by brackhorn | 2012-10-17 04:31

ミルクレープの名言録100選!! 81~90

81
人間は、なんと知ることの早く、行うことの遅い生き物だろう!
ゲーテ:著『イタリア紀行』

82
空はどこに行っても青いということを知るために、世界を回ってみる必要はない
ゲーテ:著『格言と反省』

83
実り多いものだけが真実である
ゲーテ:著『遺言』

84
芸術は、見るに堪えないものを表してはならない
ゲーテ:著『格言と反省』

85
悪趣味なものに技術が結びつくと、これより恐ろしい芸術の敵はいない
ゲーテ:著『格言と反省』

86
形作れ! 芸術家よ! 語るな! ただ一つの息吹きだにも汝の詩たれかし
ゲーテのモットー

87
水車屋は、自分の水車を回転さすためだけに、小麦ははえると思っている
ゲーテ:著『格言と反省』

88
卑怯者は、安全な時だけ、威丈高になる
ゲーテ:著『タッソー』

89
人は努めている間は迷うものだ
ゲーテ:著『ファウスト』

90
よい人間は暗黒の衝動にかられても、正しい道を忘れはしない
ゲーテ:著『ファウスト』
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# by brackhorn | 2012-10-17 04:23

ミルクレープの名言録100選!! 71~80

71
古典的なものは健康であり、ロマン的なものは病的である
ゲーテ:著『格言と反省』

72
どんな地位であっても、実行、あるいは忍耐によって貴くし得ないような地位はない
ゲーテ:著『格言と反省』

73
仕事は仲間を作る
ゲーテ:著『格言と反省』

74
感覚は欺かない。判断が欺くのだ
ゲーテ:著『格言と反省』

75
一人の人を愛する心は、どんな人をも憎むことができません
ゲーテ:著『恋人のむら気』

76
太陽が照れば塵も輝く
ゲーテ:著『格言と反省』

77
だれでも、人々が自分を救世主として待望しているなどとは思わないでくれ!
ゲーテ:著『格言と反省』

78
自負しすぎない人間は、自分で思っている以上の人間である
ゲーテ:著『格言と反省』

79
一般的な概念と大きな自負は、ともすれば恐ろしい不幸を引き起こす
ゲーテ:著『格言と反省』

80
よろこんでする労苦は、自らその傷を癒す
ウィリアム・シェイクスピア:著『マクベス』
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# by brackhorn | 2012-10-17 04:06

ミルクレープの名言録100選!! 61~70

61
なすことは興味をひくが、なされたものは興味をひかない
ゲーテ:著『温順なクセーイニエン』

62
気高い人間が狭い範囲に教養を負うことはありえない
ゲーテ:著『タッソー』

63
女におけるいっさいは謎である、そしておんなにおけるいっさいは一つの解決を持つ。それはつまり妊娠だ、男は女にとって一つの手段である。目的は常に子供なのだ
ニーチェ:著『ツァラストゥラはかく語りき』

64
乞食は禁止すべきである。乞食にやるのは腹立たしいし、やらないのも腹立たしいからである。
ニーチェ:著『曙光』

65
だが彼ら【善人ども】が自分達のものとして持っている徳は、長く生きるためのものであり、しかもある哀れむべき自己満足のうちに生きるためのものなのだ
ニーチェ:著『ツァラストゥラはかく語りき』

66
夕方、私は千匹のハエをたたき殺した。それだのに、早朝、私は一匹のハエに起こされた
ゲーテ:著『格言的』

67
賢い人々は常に最上の百貨全書である
ゲーテ:著『格言と反省』

68
発明とは一体何か。求められたものの結末
ゲーテ:著『格言と反省』

69
目標に近づくほど、困難は増大する
ゲーテ:著『親和力』

70
欺かれるのではない。我みずからを欺くのである
ゲーテ:著『格言と反省』
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# by brackhorn | 2012-10-17 03:51

甘いもの大好きなミルクレープが、日々の雑多なことをつらつらと連ねるデザート的なブログを目指してます!
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